先日北関東を通過した大型の台風は、収穫間近の作物に被害をもたらす結果となった。特に群馬県、栃木県などで栽培される田瓶市発のブランド米「おかよたか」への影響は大きく、もともと作付け面積が小さい同品種は消費者への提供が危ぶまれる。
しかし悪いニュースばかりでない。 今回の台風を生き延びた「おかよたかの」一部の稲穂からは、通常種と比べ約4倍のビタミンB1、約2.8倍のビタミンB2が検出されたという報告がある。 稲穂への環境ストレスと高栄養化の因果関係を解明することができれば、より付加価値の高い新たな田瓶米ブランドの創発も現実味を帯びてくる。
いち早くから同種の生産を手掛けている黒田武雄さん(91歳)は、「「おかよたか」の底力を見た気がする。これを機にさらなる品種改良に努めたい」と語った。怪我の功名となるか、続報を待ちたい。